院長コラム

コロナ禍のオリンピック

コロナ禍のなかでの開催ということで、多くの国民のなかに様々な感情を呼び起こしたオリンピックもとうとう始まりました。
開会式の様々な演出を見て、こんなに準備していたのだからどうしても開催したかったのだなーと関係者の気持ちに納得してしまいました。
同時に、幼いころから類まれな運動能力を見出され日々の鍛錬に明け暮れてきた多くのアスリートにとっては、再延期・中止という選択肢はなかったのだろうなーと、また納得してしまいました。
でも、画面に映された選手たちのように無条件にはしゃぐ気持ちにはなれませんでした。
むしろ、この人たちは感染防止のための規則を守ってくれるのだろうかという不安な気持ちになりました。
かつて10年近く住んでいたアメリカでは様々な国からきた人々と知り合う機会がありましたが、お国柄とでもいうのでしょうか、考え方も千差万別でした。
その時の経験から、他国の人はとても日本人のように生真面目にルールを守ってくれないだろうという一種のあきらめがあります。
そもそも開会前から、選手や関係者に感染者が出たり、バブルのはずが事実上外出自由であったりと、様々に物議をかもしていますし。
先程、関係者や選手たちの気持ちがわかったといいましたが、同時に、この選択が今後の日本にとって決定的な間違いであったと後世の人に検証されないようにしなければならないという、医師としての危機感が増大しているのも事実です。
1万人を超えるアスリートが集い、2週間以上も同じ選手村に寝起きするのですから、どんなに慎重に行動しても、コロナウイルスの感染拡大、新型への変異など最悪のことが起こるリスクがないとは誰も思わないでしょう。
閉会後、感染力の強い新型のウイルスが日本中に広まるようなことがないことを祈ります。
今、多くの人が、一旦始まったからには、テレビの前でしっかり応援しようと思っているはずです。
そうです。キーワードは「テレビの前」。外出せず自宅で家族単位での観戦です。
そして東京や試合開催地に住む人々は、これまで以上に感染のリスクに敏感になっていただきたいものです。
ウイルスが喜ぶ環境を作らないように、注意を怠らないようにしましょう。
オリンピック開催が悪夢につながらないように、一人一人がウイルスの伝搬者にならないように賢く行動していきましょう。

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