院長コラム

実りの秋に

  実りの秋を迎え各地の神社の例大祭も斎行されています。
 
 祭りの季節です。
 
 古来この国では秋の豊かな実りを神にささげて感謝の気持ちを表し、そして同時に明くる年の豊作を祈願してきました。
 祭りの場は地域の人々が心を合わせて神という大きな力に敬意を表し、それによって結束を固める場でもあったのです。
 豊かな実りを得て一年を締めくくり、新しい良き年への準備を始める時期でもあったのでしょう。
 
 大震災と原発事故から1年半が経過し、人々の意識も変化しつつあります。
 当事者は勿論外部の組織も、世界中いたるところで検証という作業が進められています。
 人間の記憶が永久に保持されないものであることは誰もが知っています。
 そして記憶の様相も時間の経過とともに変化していきます。
 今できることは、ひとりひとりが自分自身の記憶を呼び戻し、そして記録しておくことではないかと考えます。
 おそらく後年この国の人々はこの時代を、そしてこの時代をここで生きる私たちをひとまとめにして何らかの言葉で表すことでしょう。
 何らかの評価を下す研究者もいるかもしれません。
 運命を受け入れ、覚悟を決め、ここで静かに暮らす日々を、後の時代の人々がなんと評価しようが構いません。
 ただ必要なことを力の限り続けていくのみです。
 
 
 農家の皆さんは収穫後のひと時を、そして多くの皆さんが紅葉を楽しみながら温泉に集う時期でもあります。
 受付に温泉についてプリントを用意しました。
 温泉を上手に楽しむ一助になれば幸いです。
 明くる年のこの国に幸多かれと祈る秋です。

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