院長からひとこと

新型コロナウィルス感染症について

 昨年12月までに中国の武漢市で発生した新型コロナウィルス感染症が世界中で急速に広まっています。
 日本国内では、最初、武漢市からの帰国者・そして武漢市からの観光客を乗せたバスの運転手さんやガイドさんが発症しました。

 このため、2月の初めに日本政府は、中国の湖北省に滞在した人の入国を制限しましたが、それまでに、多くの人が春節で日本を訪問し、自分がウィルス感染者であることに気づかずに日本各地を観光していたと考えられますから、現在、毎日のように、全国各地から感染ルートがわからない感染の報告が報道されていますが、このような状況になるのは、時間の問題だったのかもしれません。
 
 次にどこでいつ新たな発症者が出るか予想もつきませんし、この新型コロナウィルス感染症の特徴として、ウィルスが体内に入っても特別な症状が出ない人もいるので、誰がウィルスを持っているのか、症状の有無や程度からは判断できないという事情があります。
 
 では感染を避けるために、どのようなことをするべきか!

 新型コロナウィルスを体内に入れない努力をしましょう。

 先ず、感染者の咳やくしゃみからの飛沫(しぶき)やそれがついた手すり・ドアノブ・その他の場所に触れないこと、そして飛沫がかかっているかもしれない食物を食べないことです。

 それから、最近になって、この新型コロナウィルスが、喚起が悪い閉鎖空間に、手を伸ばせば触れるような距離で、多くの人が集まり、一定時間話しているような環境において拡散される(感染する)ことが、わかってきました。

 ですから、少し前までは
 「不特定多数の人が出入りする混みあった場所に行くときには、マスクをし、なるべく手すりなどに触れないように気を付けましょう」
 という注意を患者さんにしていましたが、今は、
「不特定多数の人が出入りする(集まる)場所には、しばらくの間、行かないようにしてください」 
と お話ししています。

 ウィルスは極微小であるため、特に換気の悪い室内には、空気中に漂っている可能性が高くなってきます。
 このため、寒くても、部屋の換気を徹底することが重要になります。
 不特定多数の人が利用するトイレを使用することも、今は、なるべく避けるべきでしょう。
 勿論、そのような場所では、トイレの消毒や一定時間の換気が必要になると思います。
 
 そして、外出中は口や目などを不用意に触らないようにしましょう。
 
 帰宅時には、念のため、着用していたコートやジャケット・帽子・襟巻・手袋などは、家の外で、よく振りたたき、ウィルスが付着しているかもしれないほこりや塵を振り落とし、玄関にかけて、居間に持ち込まないようにしましょう。
 このとき、外でかけていたマスクは、玄関わきに密封の容器をおいて、その中に捨て、やはり室内に持ち込まないように気を付けましょう。
 そして、家に入ったら、おいてある物(スイッチやリモコンなどのちょっとしたもの)に触れる前に、しっかり手を洗い、気になるときには、顔も洗いましょう。

 大事なことは、家族全員で協力して新型コロナウィルスを持ち込まないようにすることです。
 
 特に、家族の中に、感染すると重症化する確率が高いといわれる、高齢者や基礎疾患を持つ方、(基礎疾患をもち、重症化のリスクが高い方とは、日本感染症学会・日本環境感染学会の文書によれば、糖尿病・心不全・腎障害のある方・透析を受けている患者さん・生物学的製剤、抗がん剤、免疫抑制剤を投与されている患者さんなどですが、その他にも、高血圧・心疾患など循環器系疾患・喘息など呼吸器系疾患を持っている方も高リスクと思われます) がいるときには 「絶対に感染させない」 という気持ちで、しっかり予防対策に努めましょう。
 
 肺炎のワクチンを接種することも役に立ちます。
 この時期に肺炎の症状が出ると、診断がつくまでに、ご自身は勿論、周囲の人々が、通常の時期に肺炎を発症する場合よりも、さらに大きな不安を抱えることになります。

 このような理由からも、予防接種を考えてみましょう。

 この肺炎のワクチンについては、65歳以上の方について、市町村からの補助があるので1度は無料で接種できますから、これまでの接種歴を調べてみてください。
 
 重症化のリスクが高い方は、予防接種や、症状が出た時の連絡方法などについて、かかりつけ医師とよく相談しておくとよいでしょう。

 極端かもしれませんが、今、一番の対策は、すべての人が「自分が感染しているかもしれない」という可能性を考えて、行動することです。
 
 医師や医療機関で働く人、介護の現場で働く人たちは、患者さんや被介護者の皆さんと接しないわけにはいきませんが、その場合でも、可能な限りの対策 「もし感染していた場合でも、目の前の相手に感染させないための最大の努力」をして、職務にあたることが大切であると思います。
 
 
 ひとりひとりが、この感染症を正しく理解し、正しい予防の知識を持つこと、そして、自分と周囲の人々をこの感染症から守るという強い意志を持つことが、終息のために必要不可欠です。

 力を合わせ、この新型コロナウィルス感染症流行を終息させましょう。

2020年03月07日 17:19


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