院長からひとこと

大震災後の健康管理

 3月11日の大震災とその後の原発事故から、3か月が経過しようとしていますが、この間、さまざまな要因で体調が悪化してしまった方々がおられます。

 特に顕著なのが糖尿病の悪化です。

 糖尿病を患う多くの方にとって痛手であったのは、原発事故の直後、社会的な混乱が生じたことでしょう。

 この時期には、多くの皆さんが、日頃から実施していた食事療法や運動療法を継続する心のゆとりをもつことができなかったと思われます。

 ある患者さんは、県外に避難し滞在している間、仕事も運動もすることなくただ食べて寝て過ごしていたということで、明らかに糖尿病が悪化していました。

 この方は、約1か月後に自宅に帰ることができ、長年続けてきた仕事や日常を取り戻して、しだいに数値が改善してきています。

 このように、規則正しい生活(食生活・運動)が糖尿病の悪化を防ぐために重要であることはいうまでもありません。

 また、放射線の線量が気になって、これまで続けていたウォーキングを中止してしまった患者さんもいます。

 現在のような時期に糖尿病のコントロールをすることは非常に難しくなってきていますが、それだからこそ、この機会に糖尿病をもっとよく知り、さまざまな対策を講じることが必要であると思います。

 慢性疾患の悪化を放置することは、ある意味で、環境放射線量の値よりも寿命に影響してきます。

 糖尿病に関わらず、ご自分の慢性疾患についてもっとよく勉強したい方には、診察時に説明とともに資料をさしあげます。

 健康管理の最終責任者は、ほかの誰でもないご自身であることを認識して、真剣に向き合っていきましょう。

2011年06月06日 14:54


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